社会で生きている限り、頑張って張り合わなければならないことが多くありますよね。
でも、時々、疲れてしまう。
「自分は、いったい何をしているんだろう。」
そんなふうに思ったときに読む1冊。
「ぼくにも その あいをください」
力がすべてではないと頭では分かっているけれど…
「ぼくにも その あいをください」は、絵本です。
こんな感じの本です。
主人公の「ティラノサウルス」は、恐竜たちの中でもダントツの強さ。
「力」ですべてを成し遂げてきたタイプです。
私も、思うのです…。
力や能力がすべてではないと。
でも、社会で働いて生きていると、どうしても張り合わなければならないときがあります。
私の張り合い?なんて小さいことですよ。
出世とか関係してないし。
ものすごい上昇志向でもないし。
それでも、なんだかんだと小さいことで、そういうつもりはなくても、「力」を誇示して生きているような…。
そして、その、なんだかんだの小競り合い?に勝手に疲れてしまうような…。
この主人公の「ティラノサウルス」みたいな、あからさまな「力の誇示」はしないけれど、それでも、本当に素直になれば、自分もこういう思考の世界で生きてきているなぁと思うのです。
ものすごくベタな内容だけれど、素直に読めば初心に戻れる。
「ぼくにも そのあいを ください」は、ものすごくベタな内容だと個人的には思います。
「力を誇示」していた「ティラノサウルス」が「愛」に目覚める。
大切なのは、「力」ではない「愛」なんだ。
「愛」こそ「力」より「強い」のだ。
その通り!
私も頭ではわかっています。
そして、「力を誇示」しすぎる人たちを、なんだかイヤだなぁと思ったりします
でも、そう思う自分が、「力を誇示」する思考で動いている。
「力を誇示」する社会に飲み込まれて生きている。
頑張ることは素晴らしいし、それは尊いことだと思うのです。
一生懸命な人は素敵だと思います。
ただ、何か「わすれもの」をしている感覚におちいるようなら…。
ちょっと、立ち止まって童心に帰ってみるのもいいのでは?
そのあいをください。素直に言えるようならOKです。
「力」より「愛」の方が強い。
そして、「愛」の方が大切なんだ。
この絵本の最後のセリフは、タイトルと同じです。
「ティラノサウルス」の愛を受け継いだ「トリケラトプス」が、自分の子に、その愛を伝えます。
そして、それを聞いた子がぽつりと言うのです。
競争社会に疲れたら、どうぞ、読んでみてください。
「あいをください」って、なかなか恥ずかしいセリフですけどね。
声にだしては言えなくても、「愛」は強い、「愛」は必要、そう素直に思える余裕が、常にあればいいなと思うのです。
青字の部分は引用です。
下記の本から引用しました。
ぼくにも そのあいを ください
作絵 宮西達也
出版 ポプラ社